起業家大学通信1103


2011年4月号

~企業ブランドの構築と実践~
企業のブランドは
「信頼」と「個性」から創り上げられる


ウルシステムズ株式会社
代表取締役社長 漆原 茂(うるしばら しげる) 氏


(収録年月:2011年3月)


今月のマンスリーリーダー
漆原 茂(うるしばら しげる)

今回のゲストは、漆原茂氏。
漆原氏は、2000年7月ウルシステムズ株式会社を設立。その約5年半後の2006年2月21日にはJASDAQ市場に上場を果たした方です。ITコンサルティング事業を行っており、お客様からのリピート率が8割を超える会社です。

この対談で私が注目したポイントは2つあります。まずは、特に広告などを出すことなく、顧客との信頼関係で取引していること。この「広告に頼らない現場主義の信頼構築」では、「等身大」「愚直に継続」「本音」「顧客満足」などの言葉が、単なるメッセージやキャッチフレーズではなく、一貫して継続されています。
また、漆原氏の言葉の中で「会社の顔は社長ではなく現場」である。これが大変印象的でした。なぜなら、実際にお客様と関わるのは現場の社員だから、現場のレベルアップを図ることが大事なのだ、というのです。
これを実践してきた結果が、高い顧客満足度と8割を超えるリピート率につながっているのではないでしょうか。

2つめに私が注目したポイントは、これまでに約30冊の本を出版してきた点です。
しかも、著者は漆原氏だけではなく、社員さんやプロジェクトメンバーが著者になっている本がある点です。はじめからベストセラーの本を出すという考えではなく、あくまでもIT業界で必要な内容や専門的な内容に特化し、戦略的に出版を行ってきました。本を出版することによって、より経営効果を高める出版戦略を行っています。

あなたも、この対談を聴くことによって、今後私達経営者やリーダーにとって必須の「企業ブランド」について考えることができるでしょう。それらは、情報発信の仕方、一貫性のあるサービス提供、経営効果を高める出版の成功事例などから学ぶことができるのではないでしょうか。
ぜひ、漆原社長の生の声からヒントを得て下さい。

(平間 正彦)

プロフィール
漆原 茂
(うるしばら しげる)

1987 年 東京大学工学部卒業。同年沖電気工業入社。同社在籍中1989 年より2 年間、 スタンフォード大学コンピュータシステム研究所客員研究員。オープンシステム での大規模基幹系システムを多数手がける。オープン系のトランザクション処理技術の世界標準策定に関与、製造・流通・公共・通信・金融・サービス等の広い分野でのシステム構築を実施、先端技術の導入を推進した。
2000 年7 月、企業の ビジネス戦略に直結した業務とIT の融合を目指し、ウルシステムズを起業、代表取締役社長に就任。
2006 年2 月、JASDAQ 証券取引所に上場。情報通信・製造・流通・金融・公共などを中心に、収益増大を目的とした「戦略的IT 投資領域」に特化し、ビジネスとIT のギャップを埋める戦略的IT コンサルティングサービスと、ビジネス革新を支えるソフトウェア開発・販売事業を展開している。発注側を強くする「ユーザー主導開発」という独自のコンサルティングスタイルを提供し、顧客からの満足度も高い。

hiramabu.jpg解説:
平間 正彦
(ひらま まさひこ)
人材活性化コンサルタント
トニーブザン公認マインドマップインストラクター
全国展開する教育出版社において、最年少支社長として活躍。6店舗を統括し、8年間勤務。2002年10月、子供の無限の可能性を最大限引き出す個別指導塾ドリームスタディを設立。塾の勉強が楽しくて勉強嫌いでも30分前に来てしまう生徒が続出。子供の将来に焦点を当てたワークショップや各種体験講座も開催。地域密着型のオンリーワン個別指導スタイルを確立する。15年間で2000組以上の子供や親の学習面とメンタル面の問題解決を支援。
2006年からは人材活性化コンサルタントとして、若手起業家を中心に心理カウンセリング・ポテンシャルアドバイス・人材育成カリキュラム作成支援、マインドマップを活用したビジョン構築のサポートも行っている。

この対談から学べる!ポイント

  • 創業後半年間、専門誌に寄稿を続けていく
  • 寄稿記事と書籍からさらに取材の依頼がくる
  • 業界への問題提起をメッセージとして発信し続ける
  • 全ての人に知ってもらう必要はない
  • 顧客との信頼関係がブランドとなり企業成長の原点となる
  • 30冊以上の書籍を出版することができた理由
  • 発信する情報は「記事」か「書籍」がベストである理由
  • なぜ、現場に書籍や記事の執筆をさせるのか?
  • 「ひとりのプロフェッショナル」として従業員の考えを尊重する
  • ブランドを構築すると理想的な顧客が自動的に選別されていく
  • 企業のDNAに組み込まれている「書籍出版」


ベストセラーズチャンネル 今月のゲスト
起業家大学では、.FM放送ラジオ番組「Bestsellers.FM」の中で、ビジネスパーソンや経営者に「読んでもらいたい書籍」を取り上げ、本の著者・編集者を招いて執筆の裏話やより深い話を聞く番組を企画・プロデュースしています。 
これまでには、「さおだけ屋はなぜ潰れないのか?」の山田真哉氏、「鏡の法則」の野口嘉則氏、「ユダヤ人大富豪の教え」の本田健氏、「日本マクドナルド社長が送り続けた101の言葉」の原田泳幸氏など、数多くの方々を取り上げてきました。
今月も、素晴らしい本の著者・編集者の方々にご出演いただき、内容も非常に充実しています。是非、アクセスしてみてください。

 
飛鳥新社 五十嵐氏
木暮太一 氏
岡本史郎氏
竹田恒泰氏
浜口直太 氏
『コンサルタントの90日で結果がでる!勉強法

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