起業家大学通信1110


2011年10月号

~御用聞きから東証一部上場3000億円企業へ~
経営者視点を持った社員を育てる「任せる技術」

加賀電子株式会社
代表取締役会長 塚本 勲(つかもと いさお)氏


今月のマンスリーリーダー
塚本 勲(つかもと いさお)

今回のゲストは、加賀電子株式会社 代表取締役会長の塚本勲さんです。
私は塚本さんのプロフィールを拝見して、「在庫をもたない営業スタイル」で事業を急成長させ、一代でグループ売上3000億円にのぼる企業体に育て上げた、この原動力や原点を知りたいと思いました。

たくさんの学びがある塚本さんとインタビュアー真田の対談ですが、ここでは私が特に学びになったポイントをご紹介します。

当然といえば当然ですが、立ち上げ当初は全て自分で業務を行っていた塚本さん。その次がビックリでした。創業から約半年が経ったときに女性の事務員さんが入社したそうです。その瞬間、会社の印鑑など、全てこの女性に渡してしまったというのです。
理由は「性善説に基づいて人を信じる!」という信念を持っていたからだと言います。塚本さんは創業当時から現在まで一貫して持ち続けている。この発想と行動の一貫性には感動しました。

私も経営者ですが、入社したばかりの事務員に印鑑を渡せるか?
無理です(笑)。しかし、もしこれができたら、リスクもありますが、社員さん達も経営者の期待に応えよう!と思うでしょう。

塚本さんの言葉で多かったのは、「人間」「ご縁」「信じる」。

言うのは簡単です。
しかし、先ほどお伝えした性善説同様、一貫して継続している。今やグループ売上3000億円ですが、売上10万、100万、1000万のときから変わらない塚本さんの「人間としてのあり方」は、私たち経営者が学ぶべきポイントではないでしょうか。

最後に、この対談を聴く場合に、もう既に経営者として会社を経営している人は、ご自身の創業当初を振り返りながら、塚本さんの想い、あり方、行動と照らし合わせて聴いてみてください。大きな学びとヒントが手に入るはずです。
(平間 正彦)

プロフィール
塚本 勲(つかもと いさお)

加賀電子株式会社 代表取締役会長。
1943 年、石川県生まれ。金沢市工業高校を1 年で中退し、単身上京。電子部品メーカーで製造業務に携わった後、営業マンとして活躍する。電子部品業界で潤沢な人脈、商品知識など無形の財産を築き、エレクトロニクス総合商社を起業。「在庫をもたない営業スタイル」で事業を急成長させ、一代でグループ売上3000 億円にのぼる企業体に育て上げる。
自らを“ おこぜ” と名乗り、社員を信じ任せる姿勢で経営者育成に尽力、グループ関連会社は65 社を数える。1986年東証二部上場、1997 年東証一部上場。
2007 年4 月より代表取締役会長となり、現在に至る。

<会社概要>
加賀電子株式会社。1968年9月、東京秋葉原にて独立系電子部品商社として設立。
「お客様のあらゆるエレクトロニクスに関するご要望にお応えします」をモットーに、独立系の強みを活かした電子部品・半導体の販売、電子機器の受託製造サービス(EMS)、パソコン及びその他周辺機器の販売まで世界20ヶ国65社のグループ会社でワールドワイドに事業展開を行う。技術革新によって顧客ニーズが多種多様化する中、3G(General あらゆるものを・Global 全世界で・Group 総合力を活かして)をキャッチフレーズに、5年後には連結売上高5千億円を目指す。
加賀電子株式会社ホームページ:http://www.taxan.co.jp/

hiramabu.jpg解説:
平間 正彦
(ひらま まさひこ)
人材活性化コンサルタント
トニーブザン公認マインドマップインストラクター
全国展開する教育出版社において、最年少支社長として活躍。6店舗を統括し、8年間勤務。2002年10月、子供の無限の可能性を最大限引き出す個別指導塾ドリームスタディを設立。塾の勉強が楽しくて勉強嫌いでも30分前に来てしまう生徒が続出。子供の将来に焦点を当てたワークショップや各種体験講座も開催。地域密着型のオンリーワン個別指導スタイルを確立する。15年間で2000組以上の子供や親の学習面とメンタル面の問題解決を支援。
2006年からは人材活性化コンサルタントとして、若手起業家を中心に心理カウンセリング・ポテンシャルアドバイス・人材育成カリキュラム作成支援、マインドマップを活用したビジョン構築のサポートも行っている。

この対談から学べる!ポイント

  • 社員を巻き込む「ガラス張り経営」の威力
  • 公私混同が組織を壊すと肝に銘じろ
  • 社員の失敗は会社の財産だと思え
  • まずは信じる!性善説経営が社員を育てる
  • なぜ在庫ゼロで3000 億円企業になれたのか
  • 加賀電子が子会社をいくつも抱える理由
  • 62 人の社長」を生み出した加賀電子の「 任せる技術」
  • 躍進の秘密はF・Y・T(ファイト)にあった
  • 若い社員が持っている情報を経営に活用せよ
  • 大企業を創りたければ、まずは起業してみなさい


ベストセラーズチャンネル 今月のゲスト
起業家大学では、.FM放送ラジオ番組「Bestsellers.FM」の中で、ビジネスパーソンや経営者に「読んでもらいたい書籍」を取り上げ、本の著者・編集者を招いて執筆の裏話やより深い話を聞く番組を企画・プロデュースしています。 
これまでには、「さおだけ屋はなぜ潰れないのか?」の山田真哉氏、「鏡の法則」の野口嘉則氏、「ユダヤ人大富豪の教え」の本田健氏、「日本マクドナルド社長が送り続けた101の言葉」の原田泳幸氏など、数多くの方々を取り上げてきました。
今月も、素晴らしい本の著者・編集者の方々にご出演いただき、内容も非常に充実しています。是非、アクセスしてみてください。


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